親の借金を定年前になんとかする話【4桁万円はダメでしょ】

借金

久しぶりのブログ更新。福祉からも投資からも離れて親の借金の話です。

『もしかしてうちの親、危ない……?』から『とにかく弁護士んとこ行くよ』までの記録です。

『自分の両親も借金がある』『けれど話してくれないし、解決をしようともしないからいつどうになるか気が気じゃない』という方の参考に、少しでもなれば幸いです。

親は普通のパート主婦、なのに着物が増えていく?

家のローンを払い続ける両親が、ともに60代で定年が見えてきたころ、

私には一つの懸念がありました。

(帰るたび、母の趣味品が増えてるな……?)

その趣味品とはずばり、

着物

です。

母は扶養控除内で働くパート主婦、父親の協力を得たってそんなばかすかローンなんて組めないはず。

けれど増えていく着物。時に帯。

さらには『定年になっても働かないといけないかも』と言い出した母。

一体総額いくらなんだ、と思いつつ切り込めなかったのが2022年夏のことでした。

親の借金に踏み込むための下準備【FP3級取得】

恐々しながらも踏み込めないのが親の借金。

けれどもまずそうな気配を前に、私が一番最初に手を付けたのが

FP3級の取得

でした。

ご存じの方も多いでしょうが、ファイナンシャルプランナーの、

しかも3級なんて初心者向けもいいところ。

けれども親は確実に私よりもお金に関して無知、かつ無防備。

話を切り出すための切っ掛けとしてはちょうどいいかと思ったのです。

『そもそも定年まで3年くらいあるしな』と悠長に勉強し、

受験をしたのが2023年1月のことでした。

あっという間に支払いが苦しくなった2月

急展開を迎えたのがFP試験後の1月末。

『来月の支払いができないかもしれない』と言い出した母。

なぜ? いきなり?

と思い尋ねるも、非常に歯切れが悪い母。

数日、数度に分けて徐々に状況を聞き出し、ようやく出てきた情報を整理した時には、

『自分と兄弟が一時的に貸して、なんとかなるかなぁ』とか

『数年かければ返せるかな』なんて甘い目論見は飛びました。

3000万円超えてたからです。

正確には返してる部分も結構あったのですが、

親が出してきたローンの明細を計算したところ、

利息(正確には分割手数料というらしい)だけでも900万円

『いやこんなん素人が知恵絞ってどうにかする段階超えてるんだわ

と思った私はその日のうちに弁護士の無料相談の予約を入れました。

もちろん当人をメインとした予約です。私はあくまで付き添いでした。

借金中は正常な思考じゃいられない

返せるあてのない借金、皆さんは経験あるでしょうか。

私は借金自体はないですが、FXを一時期触っていたときは精神が不安定でした。

FXは一瞬でお金が増えることもあれば、減ることもあります。

寝ている間でも、仕事の間でも。気になって仕方がなくなり、不安を自覚し手を引きました。

借金中の人間の精神もそれに近いのではないかと推察します。

思いつめるか、あるいは現実逃避に走るか。

母も『どうにもならない』と思いながら、『何とかなりそうな気がしてた』と口にしていました。

どちらかといえば節約、ケチ気質だった母ですので、

この楽観した発言の数々は現実逃避の一種なのだろうなと私は考えています。

本人は認めませんが、気楽な口調の中に悲観的な物言い

(離婚やら自分の保険金が出たらやら)

が増えていたので、

これ以上放置していたら何するかわからないぞという気持ちもあり、

一気に弁護士相談まで推し進めました。

【一番大事な心掛け】感情で説得はしないこと

今回の一番の肝はコレでした。

【決して感情で発言しないし、説得もしようとしないこと】

『なにやってるの』『この金額どうする気なの!?』等、責める発言あるいは

【責められたと受け取られそうな発言】は極力控えました。

何の意味もない上に、言われた側が委縮して出すべき情報を隠すかもしれないからです。

ましてや『自分で何とかする。弁護士のところになんて行かない』と意地を張られでもしたら

解決までの道のりが一気に遠くなります。

相手はすでに正常じゃないのに、さらに追い詰めることになりかねません。

なので

『どうにかできるなら私は手を引く』

『できないなら一緒に弁護士のところまで行ってもいい』と

二択で提示し、母に後者を選んでもらった上で弁護士の予約を取りました。

借金問題は何より、当人の解決への意思が一番重要です。

協力することはできても、代わりに解決することはできないので、

いかに『母にその気になってもらうか』を考えていました。

他人かつ専門家の言葉は重い

無料相談を受けることにした母。

とはいえ、当日まで非常に楽観的に考えているのはすぐわかりました。

『別の銀行で借り換えができれば』『利子分がなくなればなんとか払えるんじゃないかと思って』

と話していましたが、おそらく無理だろうと聞いてた私は思いました。

けれどそれは専門家である弁護士に突き付けてもらったほうがいい現実。黙ってました。

そして無料相談で差し出した資料を見た弁護士の一言

『これ、もう自己破産しかないですね』

でしょうね。

と、私は内心思ってましたが母は大層ショックのようでした。

けれど相談しに来た身、母はすんなり弁護士の言葉を受け入れ、

助言通り自身の個人資産(いくつかの口座と保険)の整理後に正式に依頼を行うと決めました。

私としてはここで一安心。山場を越えた心持でした。

一方母はここからが本番です。

落ち込みつつ、もらったアドバイス通りにさっそく動き始めていました。

親から相談してもらうために

ただでさえ他人に話しにくい借金。

それを子どもに打ち明けるというのはなかなかハードルが高い話

そのハードルを越えるために必要だったのが【資格】【心構え】でした。

【相手のほうが、自分よりもこの件に関して詳しい】

【この話をしても怒られない】

この2点がもたらす安心感が、多少なりともあったんじゃないかと考えています。

私自身、金額に関しては思うところがあるにはありますが、

何を話すにも『まず解決してからにしよう』と決めてから動き出しました。

特に心構えに関しては普段の仕事での経験が役に立ったと考えています。

感情ではなく行動と結果から物事を考える癖が、だいぶ身体にしみついていたのが功を奏しました。

わかっていても、咄嗟に出るのが余計な一言です。

この記事を読んでいる方がもし同様の悩みを抱えているのだとしたら、

【感情的にならないこと】というポイントだけは絶対に押さえたほうがいいと思います。

人によっては、資格を取るよりもこちらのほうがよほど難しいと感じることでしょう。

まとめ

以下が親の借金を何とかするために私がしたことまとめになります。

  • FP3級取得
  • 感情で発言しない
  • 決定的な言葉は弁護士(専門家)の口から告げてもらう

なおこの時点では父は借金のことは何も知らん状態でした。恐ろしい話ですね。

おまけ

ところで。

扶養控除内の主婦に、総合計で3000万円以上の借金背負わせる着物会社、

めちゃくちゃ怖い……。

着物は見る分には好きですし、業界がどうのという話にはしませんが、

『クレジットカードも使わずそんなことできるんか』

という気持ちでいっぱいです。

『これを組まれたら絶対に支払えない』『いくつかローン会社にも断られ始めているから、これも多分通らないだろう』『でもあれこれ良くしてくれる店員さんの手前、審査もしないは申し訳ない』

なんて甘っちょろい理由で契約書に名前を書いた母のやらかしであることに違いはないのですが。

営業力すさまじいな、と思う次第です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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